菅義偉の命式を子平推命で読む
たたき上げの星に、総理の席が用意された2020年
秋田の農家に生まれ、上京して働きながら大学を出て、地盤も看板もないところから総理大臣まで昇りつめた菅義偉さん。「たたき上げ」という言葉がこれほど似合う政治家はいません。子平推命(しへいすいめい)で命式を見ると、その歩みには「時上偏財格(じじょうへんざいかく)」というたたき上げの型、そして2020年には日主に干合する正官=トップの席がめぐる年回りという、鮮やかな裏付けがあります。初心者にもわかりやすく解剖していきます。
先に3行まとめ
1. 菅さんは内格身強で、時柱に財を立てる時上偏財格=自力で財と地位を築くたたき上げの型
2. 2020年の庚は、日主の乙と干合する正官──「トップの席が用意された」と読める年
3. 大運の辛未は雑気財官格を構成し、本命の格局を上回る──人生でいちばん良い大運
先に用語だけ(これだけでOK)
命式=生年月日を8つの干支に変換した「人生の設計図」
正官(せいかん)=正式な地位・役職の星/偏官(へんかん)=実力でのし上がる地位の星
偏財(へんざい)=自分の腕で動かす財の星/食傷(しょくしょう)=発信・実行の星
干合(かんごう)=干どうしが結びつく反応。合去(ごうきょ)=結びついて働きが封じられること
菅義偉という政治家──段ボール工場から総理官邸へ
命式の前に、まずその歩みを。菅義偉さんは秋田県の農家に生まれ、高校卒業後に集団就職で上京。段ボール工場で働き、そのお金で法政大学に進学した苦学の人です。政治家の秘書から横浜市議になったのは38歳。世襲でも官僚出身でもなく、地盤・看板・カバンの「三バン」なしから国政に駆け上がりました。
官房長官としての在任日数は歴代最長。毎朝の情報収集を欠かさない勉強家として知られ、「令和おじさん」として新元号を発表した姿を覚えている方も多いはずです。そして2020年9月、71歳で内閣総理大臣に就任。携帯料金の引き下げ、デジタル庁の創設、ふるさと納税の育ての親──派手さより実務、言葉より結果。この徹底した実務家ぶりが、彼の真骨頂です。
地方の農家の子が、無派閥のまま総理まで昇る。戦後政治でも稀なこの物語は、命式のうえでも「そういう型」でした。
菅義偉さんの命式を見てみよう
結論、菅さん自身を表す星は日柱の「乙(きのと)」=草花の木。しなやかに、どこでも根を張る粘り強さの星です。
子平推命(子平推命と四柱推命の違いはほぼ同じ体系です)では、生年月日(と時間)を8つの干支に変換した命式(めいしき)を読みます。菅さんの命式がこちら。
| 時柱 | 日柱 | 月柱 | 年柱 |
|---|---|---|---|
| 戊つちのえ | 乙きのと | 癸みずのと | 戊つちのえ |
| 寅とら | 丑うし | 亥い | 子ね |
※ 公開情報に基づく推算の命式です
主役は日柱の上の「乙(きのと)」=草花・つる草の木。大木(甲)のように一直線に伸びるのではなく、踏まれても曲がっても、隙間を見つけてどこまでも伸びていく粘りの星です。エリート街道ではなく、現場から一歩ずつ登り詰めた菅さんの歩みそのものと言えます。
そして命式は、亥・子の水気と寅の根に支えられた内格の身強。自分の気がしっかり強く、攻めて運をつかむ型です。
時上偏財格──たたき上げの型
結論、菅さんの命式は、時柱に偏財の戊が立つ「時上偏財格(じじょうへんざいかく)」。人の財産ではなく、自分の腕一本で財と地位を築く、たたき上げの型です。
乙(木)から見て、戊(土)は偏財=自分の腕で動かす財の星です(星の役割は通変星で解説しています)。この偏財が時柱=人生の集大成を表す柱に立つ形を、古典では時上偏財格と呼び、「晩年に向かって自力で財と地位を築く」型とされます。
ポイントは「親から受け継ぐ財ではない」こと。偏財は、自分で動き、自分で人脈を耕し、自分で運用して育てる財です。実家の田畑を継がず、裸一貫で上京して、40年かけて政治の頂点に届いた──時上偏財格の教科書のような人生です。
ひとつ面白いのは、命式の中で年干・時干の戊と月干の癸が干合して、互いの働きを封じ合っている(合去)こと(干合とは)。せっかくの財の星が、若いうちは十全に働かない形です。ところが──この封印が、のちの大運で解けます。ここが菅さんの命式のいちばん劇的なところです。
つまり:自分の腕一本で財と地位を築くたたき上げの型。ただし若いうちは財の星に封印つき。
大運で見る運の流れ──庚午の壁と、辛未の頂点
結論、庚午の大運は「傷官見官」の壁。続く辛未の大運は「雑気財官格」を構成して本命の格局を上回る、人生でいちばん良い運勢です。
人生には大運という運気の季節が巡ります。菅さんの近年の大運を、順に読み解きましょう。
- 庚午の大運──正官に「傷官見官」の壁。庚は乙にとって正官=正式な地位の星。地位運が来ているのに、午(火=傷官)が同じ柱でその正官を剋してしまう。傷官見官(しょうかんけんかん)といって、「地位が見えているのに、あと一歩で傷がつく」形です。官房長官として実権を握りながら、トップの座までは届かない──あの時期の構図と重なります。
- 辛未の大運──雑気財官格が成立、人生の頂点。未は「雑気(ざっき)」といって、土の中に財と官の気を蔵している支です。この未が巡ることで、大運が雑気財官格(ざっきざいかんかく)=財と官がそろって開く貴い型を構成します。ここが重要なポイントで、子平推命には「大運の格局が命式の格局を上回るとき、その大運は大成する」という読み方があります。時上偏財格という本命の型を、雑気財官格の大運が上回った──ゆえに成る。この辛未こそ、菅さんの人生でいちばん良い大運です。
- そして封印が解ける。未は火の気を残す南方の運。この火局の運のなかで、命式の戊と癸の干合が仮化(かか)して火に変わると読みます。火は乙にとって食傷=発信・実行の星。合去で封じられていた年月の干が、食傷として命式に復活するのです。携帯料金値下げ、デジタル庁──「決めて、実行する」あの実務力が全開になった時期と、ぴたりと重なります。
つまり:庚午はあと一歩の壁、辛未は格局が本命を上回る人生最良の大運。しかも封印されていた実行力まで復活。
2020年──総理の席が用意された年
結論、2020年の庚は日主の乙と干合する正官。「トップの席がその人のために用意される」と読める、特別な年回りでした。
2020年の干支は庚子(かのえね)。ここで大運と年運を並べてみると、面白い構図が見えてきます。
- 官殺がふたつ重なる年。大運の辛(偏官)と年運の庚(正官)──地位の星が二重にめぐる、政局の年です。
- 辛=偏官は「二番手の星」。偏官は実力でのし上がる地位の星ですが、正官のような「正式なトップの座」ではありません。どうやっても君子を助ける二番手──官房長官という立場を、これほど正確に言い当てる星もありません。
- 庚=正官が、日主と干合する。ここが決定打です。年運の庚は、菅さん自身の星・乙と乙庚の干合を結びます。正式な地位の星が、本人の星と手を結ぶ──古典ではこれを「官が我に付く」形と読みます。つまり2020年は、総理の席が、菅さんのために用意された年だったと考えられるのです。
- 月運・乙酉(2020年9月)──席を争う月。総裁選が行われた9月の干支は乙酉。月運の乙と日主の乙、ふたつの乙が、ひとつの庚(正官)をめぐって並び立つ──争合(そうごう)=同じ席をめぐる争いの形です。複数の候補が総理の座を争ったあの総裁選が、月運にそのまま現れています。そして干合を制したのは、日主の乙──菅さんでした。
身強の日主に、最良の大運、干合する正官、そして争合を制する月運。2020年9月の総理就任は、命式の上では「役者が全員そろった瞬間」だった──そう読めるのです。
つまり:2020年は正官が日主と手を結び、争合を制した年。総理の席は年回りどおり。
まとめ:格局のとおりに生きた人
菅義偉さんの命式を一言でまとめると──「粘りの乙木が、自力で財と地位を築く時上偏財格。最良の大運・辛未で、干合する正官=総理の席をつかんだ人」。段ボール工場から総理官邸まで、40年かけて登り切った歩みは、格局の示す型を、努力で最後まで生き切った実例です。
命式は席を用意することはあっても、そこまで歩くのは本人の足です。たたき上げの型に生まれ、たたき上げの人生でそれに応えた──占い師として、これほど読み甲斐のある命式はそう多くありません。
そしてこれは有名人だけの話ではありません。あなたの命式にも型があり、大運がその型を上回る「人生最良の季節」がどこかに用意されています。当サイトの無料の命式計算ツールで、生年月日を入れるだけで自分の命式と大運が出せます。
よくある質問
菅義偉さんの日干(自分の星)は何ですか?
乙(きのと)=草花・つる草の木です。踏まれても曲がっても伸びていく粘り強さの星で、たたき上げの歩みと重なります。命式は亥・子・寅に支えられた内格の身強です。
時上偏財格(じじょうへんざいかく)とはどんな格ですか?
時柱に偏財の星が立つ型で、「親の財ではなく、自分の腕で晩年に向かって財と地位を築く」たたき上げの格とされます。菅さんは時干に戊(偏財)が立ち、この格に当たります。
「大運の格局が命式の格局を上回る」とはどういう意味ですか?
大運の干支が命式と組み合わさって、本命の格局よりも貴い型(菅さんの場合は未の雑気による雑気財官格)を構成することです。このとき、その大運は人生でも特に大きく開く時期と読みます。菅さんの辛未の大運がまさにこれで、総理就任もこの大運の中の出来事でした。
2020年に総理になれたのはなぜだと読みますか?
年運の庚(正官=正式な地位の星)が日主の乙と乙庚の干合を結び、「官が我に付く」形になったためです。さらに総裁選の9月(乙酉)は、月運の乙と日主の乙が庚をめぐって並ぶ争合の月──席を争い、それを制した形まで月運に現れていました(本文参照)。
※ 本記事は、公開されている情報に基づく子平推命(しへいすいめい)の文化的な解説・エンターテインメントであり、特定の政治的立場の支持・不支持を示すものでも、ご本人の実際の人物像や出来事の因果を断定するものでもありません。また、占いの結果は将来を保証するものではありません。
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